周りの人の目を気にして自分らしさを出せないアスリートへ。人間関係を良くすることがハイパフォーマンス発揮に繋がる。

「本当は思うことがあるんだけど…」

「こんなこと言ったらどう思われるかな…」

「自分なんかが何言っても仕方ないか…」

「もし何か言われたら嫌だから、安全なプレーだけしよう…」

これらのように、本当は言いたいことがあったり、自分らしく自由にプレーをしたいのにコーチやチームメイトなどの目を気にしてしまい、言いたいことも言えずにいた経験はありませんか?

実は、周りの目を気にしてしまっているが故に、自分らしさを出すことができず、本来持っているはずの素晴らしいパフォーマンスに蓋をしてしまっている可能性があります。

実際に、私のもとに来てくれる多くのアスリートが、このような“人間関係”に悩み、本来持っているはずの素晴らしいパフォーマンスに蓋をしていることが多いです。

しかし、人間関係が良好となることで、今まで見たことのない、高いパフォーマンスが発揮されることも少なくありません。

私がサポートしている選手も、人間関係がクリアになったとき、驚くほどのパフォーマンスと結果を残していました。

中には、これまで見たことのないようなハイパフォーマンスを発揮する選手も。

もし、人の目を気にしてしまうといった人間関係が改善され、自分らしくプレーすることができ、本来持っているもの以上のパフォーマンスが発揮されたらどんな競技人生になっていくでしょうか。

今回は、周りの人の目を気にしてしまうアスリートが自分らしさを取り戻し、素晴らしいパフォーマンスを発揮できることを願ってこのコラムを書いていきます。

目次

他の人からどう思われるかばかり気にして、自分のプレーに集中できていない

練習は誰よりも真剣に取り組み、本気で競技と向き合っている選手でも、周りの人からどう思われているのかが気になってしまい、自分らしさを出せずに悩んでいる選手が多くいます。

「こうした方がいいと思うんだけど、これを言ったらどう思われるかな…」

「自分が我慢すればいい話だから…」

「もっと何も気にせず自由にプレーしたいけど、ミスしたら何か言われそうだから安全なことだけやろう…」

このように周りの人からどう思われるかばかり気にして、本来持っているはずのパフォーマンスを発揮することができていないとしたら、本末転倒です。

皆さんは、周りの人からいいように思われるために競技を続けているのですか?

そのために、日々ハードな練習に取り組んでいるのですか?

それは皆さんにとって、何のための競技人生なのですか?

周りの目を気にすることが原因で自分のパフォーマンスに蓋をしていたら

周りの人の目を気にしてしまうことで、自分自身が持っているはずの能力はもちろん、それ以上の能力までにも蓋をしてしまうことがあります。

Beilock and Carr (2001) の研究では、自己意識が高い状況下で、スポーツ選手や音楽家が複雑なスキルを発揮する際にパフォーマンスが低下する現象が起こることが確認されています。

また、周りの目を気にすることで感じる不安や恐怖によって、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を増加させ、脳のパフォーマンスを低下させることが知られています。

よって脳の働きが低下し、潜在能力が抑えられてしまうことがあるのです。

誰しもその競技をしている理由があるはずです。

「オリンピックで金メダルを取りたい」

「日本代表になってW杯に出たい」

「プロアスリートになりたい」

これらのような想いがあるのに、周りの目を気にすることでパフォーマンスが低下したり、潜在能力が抑えられているとしたらどんな競技人生になると思いますか?

周りの目を気にしてしまうことは、それだけ〇〇であるという事実

ただ周りの人の目を気にしてしまうということは、捉え方を変えれば、周りがよく見えていて小さな変化に気が付くことができるということです。

ポジティブとネガティブは表裏一体です。

今は“周りの人の目を気にしてしまう”というネガティブな側面が出過ぎてしまっているだけで、その裏側にある“周りがよく見えていて小さな変化に気が付くことができる”というポジティブな側面を磨いていけばいいのです。

もし周りの人の目を気にするという部分だけを改善し、周りがよく見えていて小さな変化に気が付ける強みをプレーに活かすことができたらいかがでしょうか?

スキルは高いのに試合になると萎縮してしまうバスケットボール選手

私のもとを訪ねてくれたアスリートの中で、スキルは高いのに試合になると萎縮してしまうようなバスケットボール選手がいました。

周りの選手たちと比べても、すごく上手ですし、チーム内でも中心的な選手です。

しかし、試合になると萎縮してしまうという特徴がありました。

話を聴いてみると、その選手はコーチからの目を気にしてしまって、安全なプレーばかりしてしまうという悩みを打ち明けてくれました。

しかし、コーチからの目を気にしてしまうという悩みを克服できたとき、その選手が持つ本来のパフォーマンスが発揮され、チームのエース的な存在へと変わっていきました。

では何がきっかけで、その選手をエース的な存在までに引き上げたのでしょうか。

人の目を気にしてしまう根本的な理由とは

実は、その選手がコーチの目を気にしてしまう理由が過去の経験にありました。

つまり、過去に経験したことが原因となって、コーチの目を気にしてしまうという現実を作り上げていたのです。

人は誰しも過去の経験をもとにその行動を選択した結果、今の現実を作り上げています。

周りの人の目が気になってしまうということは、何かしらの理由が過去にあるのです。

だからこそ、まずはその理由が何なのかを特定することが大切になります。

周りの人の目を気にしてしまうという呪縛から解放されたとき、本来持っているパフォーマンスやそれ以上のパーフォーマンスを発揮することができるのだと、その選手がプレーで証明してくれました。

潜在能力を引き出すことができれば競技人生が大きく変わる

では、周りの人の目を気にしてしまう理由は過去のどんな経験が生み出しているのでしょうか。

しかし、自分一人だけでこの理由に辿り着くことは、なかなか簡単なことではありません。

なぜなら人間は、自分が思い込んでいることに近い情報ばかりを探し、それ以外の情報を無視してしまうという認知バイアス(確証バイアス)が働いてしまうからです。

そうすると、目を向けるべき根本的な理由に辿り着かなくなる可能性があります。

だからこそ、スポーツメンタルコーチのような専門家との対話を通じて、気づきを得ることが効果的であると言えます。

周りの人の目を気にしてしまうことで、本来持っているパフォーマンスや、それ以上のパフォーマンスを発揮するブレーキがかかっていては、本当にもったいないことです。

自分自身が何のためにその競技を続けているのか。

その理由に向かって競技人生を歩んでいくためにも、まずは周りの目を気にしてしまう根本的な理由を特定していきましょう。

私が行なっている体験メンタルコーチングでは、どうして周りの人の目を気にしてしまうのか、その理由を明確にしてお伝えしています。

周りの人の目を気にせず、自分らしく最高のパフォーマンスを発揮したいという方は、是非一度受けてみてください。

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