あなたは今、
日々の競技生活に対して、
どんな気持ちで過ごしているでしょうか?
きっと、
心の底から実現したい夢や目標のために、
今日もまた競技と直向きに向き合っているのではないでしょうか?
「コツコツ積み重ねていくことが大切だ」
「日々どれだけ成長を感じることができているか」
「自分の意識次第で、練習の質が大きく変わる」
「もっと意識レベルを上げて競技と向き合う」
などといったことを、
指導者や他の選手が話しているのを聞いたり、
そのような想いで競技と向き合わないとという気持ちで、
今日も過ごしていることでしょう。
しかし一方で、
心の中では、
「モチベーションが思うように上がらない日がある…」
「なかなか自分自身の成長を感じられない…」
「競技に対しての想いはあるけど、やる気が出てこない…」
「意識レベル上げた方がいいのは分かってるけど…」
などといった、
モチベーションが上がらない、
やる気が出ないという状況に、
なんとかこの状況を変えないといけないと思っている。
そんなアスリートもいるのではないでしょうか?
これだけ夢や目標を、
実現したいという想いはあるのに。
モチベーション高く、
競技に取り組めているときもあるのに。
しかし現状は、
練習に行くことに対して気が進まなかったり、
どこか苦しさを感じていたり、
練習することが義務のようになってしまっている。
どうして、
モチベーションややる気が持続しないのだろう。
もっとモチベーション高く取り組めているときのように、
日々競技に向き合っていきたいと。
実は私も、
あなたと同じで、
絶対に実現したい夢や目標に向けて、
競技中心の生活をしているような選手でした。
しかしその想いとは裏腹に、
なかなかモチベーションが上がらなかったり、
やる気が出てこなかったりと、
ただなんとなく競技をしていたときがありました。
競技はしているのだけど、
そこに対する熱量が少なく、
淡々と取り組んでいるだけでした。
周囲の人からは、
しっかりやっているように見えていたそうですが、
自分からしたら、
心ここにあらずというような感じです。
これまで自分自身が、
モチベーション高く、
やる気もみなぎっているような状態でやれていた感覚を知っているので、
こんな自分は競技者として許せることができませんでした。
もちろん、
モチベーションをもっと上げていこう、
やる気をもっと出していこう、
そんな気持ちはあったのですが、
思うようにモチベーションが上がらない日々に、
悶々としながら競技をしていました。
私自身、
ずっとプロサッカー選手を目指して競技をしていたので、
モチベーションを上げて競技に取り組めない自分が本当に嫌で仕方がなかったです。
しかし、
どうすればこの状況を乗り越えて、
再びモチベーション高く競技に取り組めるようになるのか、
そのときの私は知りませんでした。
実は、
このモチベーションが上がらなかったり、
やる気が出ないときに着目したいことがあります。
それが、
目標設定についてです。
この目標をどのように設定するかによって、
日々の競技に対するモチベーションにも影響があるのです。
当時の私を、
スポーツメンタルコーチの視点で見たら、
そうなってしまうよなと感じます。
なぜなら、
当時の私はモチベーションを上げることばかり必死で、
その原因となっている目標設定と向き合うことができていなかったのです。
そもそも正しい目標設定の方法があることすら知りませんでしたし、
目標次第でモチベーションもやる気も変わってくることに気が付くこともできませんでした。
それはそのはずです。
それは、
小さい頃から目指していた、
プロサッカー選手になるという目標に向かって競技をしていたからです。
その目標設定の方法が間違っているとなんて思えるはずがありませんでした。
しかしどうして、
小さい頃からずっと目指していたはずの目標に対して、
モチベーションが上がらなくなってしまったのでしょうか?
それが、
“プロサッカー選手になりたい”ではなく、
“プロサッカー選手にならないといけない”と思うようになってしまっていたからでした。
“なりたい”と“ならないといけない”。
目標を達成するという意味では同じですが、
自発的かどうかというと違ってきます。
ちなみに心理学では、
“プロサッカー選手になりたい”を内発的動機、
“プロサッカー選手にならないといけない”を外発的動機と言います。
外発的動機によるモチベーションは、
維持することが難しいです。
つまり、
私がモチベーションが上がらない、
やる気が出ないと悩んでいたときは、
この外発的動機によってプロサッカー選手を目指していたのです。
でも実際は、
競技人生のほとんどが、
心の底からプロサッカー選手になりたいと、
自発的に思えていました。
もちろんそのときは、
モチベーションも高かったですし、
やる気に満ち溢れていました。
ですが、
あるときからそのように競技と向き合えなくなってしまったのです。
それが、
プロサッカークラブの関係者に言われた言葉がきっかけでした。
その言葉とは、
「もし君にプロレベルの能力があったとしても、君より身長が20㎝高くて君と同じ能力の選手を選ぶ。
だから、君の身長でプロになることは厳しい。」
実は私は、
身長170㎝という低さでゴールキーパーをしており、
その身長でプロサッカー選手を目指していたのです。
その言葉を聞くまでは、
心の底からプロサッカー選手になれると思っていました。
変えられないことに悩むよりも、
変えられることに悩もうと、
自分に言い聞かせながらずっと競技をしてきました。
しかし、
その言葉を浴びたとき、
変えられないことを理由に、
プロサッカー選手になるという目標を、
剥奪されたような気持ちになってしまったのです。
正直そのときは、
「もうプロサッカー選手になることは無理なのかもしれない」そう思ってしまいました。
しかし、
監督もチームメイトも親も友人も、
自分と関わる全ての人が、
「プロサッカー選手になろうとしている人」
として接してきます。
つまり私は、
“プロサッカー選手になろうとする自分”を演じ続けなければならなかったのです。
気づいたときには、
プロサッカー選手になりたいではなく、
プロサッカー選手にならないといけない思うようになっていました。
それがいわゆる、
内発的動機から外発的動機に変わってしまったときでした。
それからは、
練習に行くことも、
試合をすることも、
苦しくて仕方がありませんでした。
その気持ちを誰かに話すこともできなかったですし、
自分の中で消化しないといけない日々に、
心も体も疲弊していました。
最後は、
サッカーをすることが嫌になってしまい、
燃え尽き症候群によってプロになれずに競技を辞めました。
最後まで競技をやり抜くことができなかったのです。
あのとき、
自分が思い悩んでいることを、
素直に打ち明けられる人がそばにいてくれたら、
どれだけ心は救われただろうか。
周りの人たちが願う自分になろうとするのではなく、
自分の心に従って、
競技をすることができたら、
どれだけ幸せだったろうか。
心から達成した目標に向かって最後までやり抜き、
競技人生を終えることができたら、
どれだけ充実した気持ちになれただろうか。
このような経験をしたからこそ、
今こうしてスポーツメンタルコーチとして活動しています。
そして、
多くのアスリートに、
目標設定の重要性や、
正しい目標設定の方法についてお伝えしています。
なぜなら、
どんな目標を設定するか次第で、
モチベーションも変化していくからです。
そのためにも、
丁寧に時間をかけて、
目標設定と向き合う必要があります。
実際に、
目標を設定し直したことで、
再びモチベーション高く競技と向き合えるようになったアスリートを、
たくさん見てきました。
もしあなたが、
モチベーション高く、
日々競技と向き合い続けることができたら、
どんな競技人生になっていくでしょうか?
なかなかやる気が出なかったり、
練習に行くのが苦しかった毎日から解放されたら、
どんな充実した日々を過ごすことができるでしょうか?
モチベーションが上がらなかったり、
やる気が出ない日々に悩みを感じているのなら、
目標設定について、
一度向き合い直してみてください。
正しい目標設定をすることができれば、
競技に対するモチベーションに変化が生まれてくるかと思います。
あなたの競技人生が、
モチベーション高く、
やる気に満ち溢れている、
そんな豊かで充実したものであるようにと願いを込めて。