夢や目標に対して不安や苦しさを感じながら競技をしているアスリートへ

あなたは今、
どんな気持ちで競技と向き合っていますか?

きっと、
絶対に実現したい夢や目標があったり、
理想の未来に少しでも近づくために日々競技と向き合おうとしているのではないでしょうか?

「オリンピックで金メダルを取りたい」

「プロ野球選手としてメジャーリーグで活躍したい」

「プロサッカー選手になってW杯で優勝したい」

「プロアスリートになって、競技を仕事にしたい」

などといった、
誰にも負けない熱い想いを抱きながら競技人生を歩んでいることでしょう。

しかし一方で、
その夢や目標に向かっていく中で、

「このままではオリンピックには出られない…」

「メジャーリーグなんて厳しい…」

「まだサッカー日本代表にも選ばれてない…」

「プロアスリートになれないんじゃないか…」

などといった不安を感じながら毎日を過ごしているアスリートもいるのではないでしょうか?

誰にも負けないくらいの熱い想いでその夢や目標を実現しようとしているのに、
不安な気持ちが心の底からふつふつと湧いてくる毎日に、
もがき苦しみながらも、
今日も練習場所へと向かっている。

気づけば頭の中では競技のことばかりで、
この不安な気持ちを誰にも相談できずに、
一人過ごしているのではないでしょうか?

だけど、
この不安と向き合い続けることで、
いつか必ずこの気持ちが晴れることを信じて、
今日もこの不安と向き合っている。

一方で、
どれだけ考えたとしても、
答えが出るわけでないと感じてしまっている自分もいる。

気づけば、
自分にとって、
好きで楽しくて仕方がなかったはずの競技が、
自分を苦しめる存在に。

もう一度、
心から競技を楽しめていたあの頃に戻りたいと。

実は私もプロサッカー選手になって、
J1リーグで活躍することを目指して、
本気で競技をしていました。

寝ても覚めてもサッカーのことばかりで、
未来の自分が、
プロサッカー選手として活躍していることを想像するだけで、
鳥肌が立つくらい実現したいことでした。

今日という一日は、
全てプロサッカー選手になるための一日であり、
サッカーをしている時間はもちろんのこと、
それ以外の時間も全て、
“これは自分がプロサッカー選手になるために本当に必要なことなのか”
という視点を持って生きていました。

もちろん私がそれだけの想いで競技をしているということは、
監督やコーチ、
チームメイト、
家族や友人までもが知っていました。

しかも、
多くの方が心から応援してくれていて、
その応援が日々の力になっていました。

ですが、
その多くの方からの応援が、
力になるどころか、
段々と自分を苦しめるようになっていきました。

きっと自分自身の中には、
「応援してくれる人たちの期待にしっかり答えたい」
という気持ちがある一方で、
「本当に自分はプロサッカー選手になって活躍することができるのか」
という葛藤が少なからずあったのだろうと思っています。

かといって誰かに相談できる訳でもなく、
常に一人でもがき苦しんでいる状態だったなと感じます。

ですが、
多くの方からの期待は増えていく一方で、
どこに行っても、
誰と会っても、
“プロサッカー選手になる人”でい続けなければならなかったのです。

いつしか、
好きで楽しかったはずの競技が、
プロサッカー選手を目指すことで、
楽しさよりも、
不安や苦しさで溢れるような競技へと変わっていきました。

そんな不安や苦しさで溢れる気持ちを、
当時の私はどう乗り越えたらいいのか分かりませんでした。

もちろんインターネットでたくさん調べたりしましたが、
いくら調べても、
「不安を感じたら〇〇をする」のような方法ばかりしか出てこなく、
結局この不安や苦しさから解放されることはありませんでした。

そんな中、
この不安や苦しさを感じないでいられる瞬間を、
一つだけ見つけることができました。

それが、
練習をすることでした。

不思議と練習をしているときは、
この不安や苦しさを感じないで済んだのです。

むしろこの不安や苦しさが原動力になって、
がむしゃらに競技に取り組むこともできていました。

しかし、
練習が終わると、
またいつもの不安や苦しさなどが心の底から湧いてきて、
常に頭の中では、
不安や苦しさでいっぱいになってしまうような状態のままでした。

そして、
その不安や苦しさを感じないために、
また練習をする。

その日の練習が終わって家に帰っても、
気づいたら走りに行ってしまう。

オフの日にも、
グラウンドに行って練習をしてしまう。

練習量も圧倒的に増えていき、
日に日に身も心も疲弊していきました。

本来プロサッカー選手になって、
活躍するための練習だったはずなのに、
不安や苦しさを感じないための練習になっていたのです。

そして、
燃え尽き症候群になり、
プロサッカー選手になれずに、
サッカーを嫌いになって現役を引退をしました。

あの頃の私は、
不安や苦しさを誤魔化すことはできていたのですが、
根本的に解決しようとはしていませんでした。

というより、
不安や苦しさを、
根本的に解決しようと考えることもありませんでしたし、
そこに目を向けるだけの余裕もありませんでした。

つまり、
プロサッカー選手になって活躍したいのなら、
不安や苦しさに対して誤魔化すことよりも、
根本的な部分に向き合う必要があったのに、
見当違いのことをしていたのです。

まさしく私は、
プロサッカー選手になるには相応しくない選手でした。

燃え尽き症候群になってから、
かなりの年月が経ちました。

今改めて思うのは、
あのとき私のそばには、
不安や苦しさを吐き出せる存在がいて欲しかったなということです。

そして、
不安や苦しさを根本的な部分からの解決へと導いてくれる存在が私には必要でした。

不安や苦しさに一人でもがいている時間は、
本当に辛くて過酷なものです。

ふとしたとき、
不安や苦しさを吐き出せて、取り除いてくれる存在がいてくれたら、
どんな未来になっていたのかと思うことがあります。

もしかしたら、
プロサッカー選手になれたのではないのかと思ったりもします。

一つだけ確実に言えることは、
サッカーを嫌いになって現役引退を迎えることはなく、
楽しくて大好きだったサッカーのままで、
選手をやり抜くことができたということです。

もし人生をやり直せるのなら、
私はもう一度プロサッカー選手を目指して、
本気で競技と向き合う人生を選ぶと思います。

夢や目標に向かって生きる日々は、
本当に充実していて、
尊いものです。

だからこそ、
夢や目標に向かって、
日々競技と向き合っているアスリートには、
しっかりやり抜いてほしいです。

決してその夢や目標が、
自分を苦しめる存在になってしまうのではなく、
自分の心を高揚させてくれるような存在であってほしいです。

これまでスポーツメンタルコーチとして生きてきて、
有り難いことに多くのアスリートの競技人生を共に歩ませてもらっています。

多くのアスリートが、
不安や苦しさを乗り越え、
夢や目標を実現する瞬間に立ち会ってきました。

何より、
私がスポーツメンタルコーチとして生き続ける理由は、
あの頃の自分にとって必要だった人でありたい。

それが全てなのだろうなと感じます。

だからこそ、
本気で夢や目標を実現しようとしているアスリートにとって、
どんなことでも話せる存在でありたいと思いますし、
良いときも、
そうでないときも、
アスリートが夢や目標に向かって、
歩み続けられるような環境を整え続けたいです。

本気で競技と向き合うあなたが、
心震えるような夢や目標に向かって、
今日も歩み続けられるようにと願いを込めて。

スポーツメンタルコーチ加藤優輝
Deportare Design代表
Deportare Design代表。6歳から22歳までプロサッカー選手を目指していたが、燃え尽き症候群により競技を嫌いになり、結果プロになれずに現役引退。 その後、人命に関われる仕事に魅力を感じ、消防士になる。 消防士として社会貢献していく中で、夢や目標に向かっている人をサポートしたいという思いが沸き起こり消防を退職。 退職後、自分自身が燃え尽き症候群になってしまった原因を解明すべく、脳と心の仕組み・スポーツ科学、EQなどについて学ぶ。 その後、サッカー元日本代表でもあるカレンロバートの専属サポート。現在は、プロ野球選手(NPB)やプロサッカー選手(Jリーグ)、プロサーファー、プロゴルファー、実業団選手を始めとする、トップアスリートから本気でプロを目指すアスリートを中心にメンタルのサポートをしている。 すべての人が自分自身の可能性を信じて生きていける社会にすることが人生のテーマ。

私がスポーツメンタルコーチになった理由

私はプロサッカー選手になるはずだった。小学校のころから夢はサッカー選手。中学生になっても高校生になっても大学生になっても、夢は変わらずサッカー選手。そんな私は、身長170㎝でゴールキーパーをしていた…>>続きはこちらから

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