アスリートにとって選択したことを定期的に振り返ることが大切な理由。

「もっと成長するために、色々なことを試してみる!」という気持ちで様々なことにトライしているアスリートも多いかと思います。

しかし、その一方で「色々なことを試しているけど、どれだけ自分のためになっているのか分からない…」と、自分の試した選択が、どれだけ成長を生み出したのか把握できていないアスリートも少なくありません。

皆さんは、もっと成長したくて様々なことを選択してトライしているのに、その選択が成長をどれだけ生み出しているのか把握できていないとうことはありませんか?

実際に、私のもとに来てくれるアスリートからも、“色々なことを取り入れてみるのだけど、結局どれがいいのか分からない”というような相談をされることもあります。

せっかくトライした選択も、しっかりと振り返ることがなければ、自分自身の成長につながるヒントを得ることはできません。

今回は、「アスリートにとって日々選択したことを振り返ることの大切さ」についてコラムを書きます。

目次

色々と試してみるけど、試しただけで終わってしまう

「これも取り入れた方がいいかも!」

「競技のためになることは色々と試したい!」

「あの選手がやってることを自分も取り入れよう!」

これらのように、様々なことをトライしてみる向上心が高いアスリートは多くいます。

しかし、試しただけで終わってしまうアスリートがいるのも事実としてあります。

つまり、多くのことをトライするのはいいものの、試したことを定期的に振り返らないと、本来得られたはずの気づきや成長のチャンスを失うことにもなるということです。

新たなことを試せるだけの向上心や好奇心があることは、アスリートとして本当に素晴らしいことです。

しかし、その試したことを振り返らないだけで、せっかく得られる気づきや成長を見過ごすことになってしまったら本末転倒です。

試しただけで終わってしまうことについて、心当たりのある方はいませんか?

選択したことが必ずしもいい選択とは限らない

せっかく新しく試したことを振り返らないのはとてももったいないことです。

様々なことを試すということは、それだけ自分の意思で選択しているということになります。

もちろんその選択がいい選択であることに越したことはないです。

しかし、自分がした選択が必ずしもいい選択になるとも限らないのです。

だからこそ、その選択をしっかりと振り返ることが大切になります。

科学的にも、選択をしっかり振り返ることで、今後の選択の質を高めたり、自身の成長を促すといった効果があるとされています。

もし自分が選択したことを振り返らなかった場合、競技人生にどんな影響を与えるでしょうか?

【スポーツメンタルメモ】

  • 人は認知バイアス(例: 現状維持バイアスや後知恵バイアス)によって選択を誤ることがある。選択を振り返ることで、こうしたバイアスに気づきやすくなる。
    例: 「自分は安全策を取りすぎたのか」「リスクを過小評価したのか」を振り返ることで、次回の判断がよりバランスの取れたものになる。
  • 教育学者Donald A. Schönの反省的学習(Reflective Practice)の概念によれば、行動を振り返ることで学習効果が深まるとされている。
    例: 行動後に「何がうまくいったか、何がうまくいかなかったか」を振り返ることで、成功要因や改善点を理解できる。

選択したことを定期的に振り返る

先ほどお伝えしたように、振り返ることが自分自身の成長を生み出してくれるといっても過言ではありません。

だからこそ、定期的に振り返ることをおすすめします。

自分がした選択をしたことに対して、「やってみてどうだったか」、「上手くいった理由は?」、「上手くいかなかった理由は?」といったような振り返りを定期的に行うことで、新たな気づきや成長するきっかけを生み出すことができるでしょう。

そのためにも、定期的に振り返る習慣を身につけることが大切です。

振り返ることが習慣になれば、意識しなくても振り返ることができます。

振り返ることができないのは習慣になっていないからなのです。

実際に私がサポートしているアスリートには、選択したことを記録してもらい、その選手にとって適切なタイミングで一緒に振り返る時間を設けています。

あれもこれもと色々と手を出してしまうあるプロ選手の話

これまで私がサポートしたことがある選手の中で、「自分がいいと思ったことは、あれもこれもと色々と手を出してしまう」ということを相談してくれたプロ選手がいました。

さらに話を聴いていくと「色々と試したはいいけど、どんなことを得られたのか把握できていない」とのことでした。

新しいことを色々と試すはいいけど振り返りは行わない。

こういった経験をしたことのある選手も多いかと思います。

実際その選手には、これから選択することは全て記録に残してもらい、定期的に一緒に振り返る時間を設けるようにしました。

こうした振り返りの時間を大切にしたことで、自分が気になったものに対してあれもこれもと手を出すことがなくなりました。

結果、自分に必要だと思うことを選択できるようになり、競技パフォーマンスも向上していきました。

選択と振り返り

アスリートとして、競技力向上のためになることを色々と試せることは素晴らしいことです。

それだけ向上心や好奇心があるということは、多くの成長を生み出すきっかけにもなります。

しかし、せっかく競技のために試したことが、試したままで終わってしまい、本来得られる気づきや成長を逃してしまうのはとてももったいないことです。

だからこそ、自分が選択したことに対して、定期的に振り返る時間を設けてほしいのです。

もし、自分が選択したことを定期的に振り返ることで、成長を加速させることに繋がったらどんな競技人生が待っているでしょうか?

振り返るから成長する

アスリートとして、新たに試したことに対してしっかりと振り返ることは大切です。

それによって、今後の選択の質を高めたり、自身の成長を促すことに繋がります。

しかし、選択したことに対して、適切なタイミングで成長を加速させるような振り返りを行うことは簡単ではありません。

だからこそ、私のようなスポーツメンタルコーチが存在するのです。

私が提供しているスポーツメンタルコーチングでは、その選手にとって適切なタイミングで成長を加速させるような振り返りを行なっています。

“選択したことに対しての振り返りの質を高め、成長を加速させたい”という方は、是非一度体験メンタルコーチングを受けてみてください。

スポーツメンタルコーチ加藤優輝
Deportare Design代表
Deportare Design代表。6歳から22歳までプロサッカー選手を目指していたが、燃え尽き症候群により競技を嫌いになり、結果プロになれずに現役引退。 その後、人命に関われる仕事に魅力を感じ、消防士になる。 消防士として社会貢献していく中で、夢や目標に向かっている人をサポートしたいという思いが沸き起こり消防を退職。 退職後、自分自身が燃え尽き症候群になってしまった原因を解明すべく、脳と心の仕組み・スポーツ科学、EQなどについて学ぶ。 その後、サッカー元日本代表でもあるカレンロバートの専属サポート。現在は、プロ野球選手(NPB)やプロサッカー選手(Jリーグ)、プロサーファー、プロゴルファー、実業団選手を始めとする、トップアスリートから本気でプロを目指すアスリートを中心にメンタルのサポートをしている。 すべての人が自分自身の可能性を信じて生きていける社会にすることが人生のテーマ。
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