自信がない日の戦い方(アスリート向け)|戻るためのシンプルな手順

自信がある日は、誰でも戦えます。
大事なのは、自信がない日です。

自信がない日は、たいてい静かに始まります。
いつも通りに見えるのに、どこかが噛み合わない。
アップの呼吸が浅い。
足が地面に馴染まない。
景色だけが、少し遠い。

それでもあなたは、
大丈夫だと言います。

大丈夫だと言いながら、視線が定まらない。
その瞬間を、何度も見てきました。
言葉は強いのに、身体が正直で、心だけがひとりで踏ん張っている。

アスリートが苦しいのは、
自信がないことそのものより、
自信がない自分を見せてはいけないと思ってしまうところにあります。

弱さを見せたら終わる気がする。
不安を認めたら負けた気がする。
だから、平気なふりをして前へ出る。
その、こうでないといけないという感覚が、
自分を追い込みます。

自信がないとき、人は整えようとします。
上げようとする。
消そうとする。
良い状態に戻ろうとする。
でも、その良くなろうという気持ちが強いほど、
心には条件が生まれます。

落ち着いていないとだめ。
自信がないとだめ。
前向きでないとだめ。

条件が増えるほど、
あなたの目はまた内側へ戻っていく。
うまくやれるか。
失敗しないか。
今日は良くないのかもしれない。
その問いが頭の中で膨らみ、動きは小さくなり、判断は遅れていきます。

でも本当は、
自信がない状態を消すことが目的ではありません。

大切なのは、
自信がないままでも、目の前の一手に戻れること。
自信がない日には、自信を作るよりも、戻り方を持っておく。

整えるとは、良くなることではなく、
条件を外して今ここに戻ることです。


戻るためのシンプルな手順

派手なテクニックではありません。
自信がない日ほど、静かな合図が効きます。

① 足裏に戻る

呼吸を整える前に、足裏に体重を預ける。
地面に立っている感覚に戻るだけで、心の音量は少し下がります。

不安は、頭の中で大きくなります。
足裏に戻ることは、
意識を身体へ戻し、景色を近づけることです。

② 視線を外に置く

感情や評価から、対象へ。
ボール、相手、スペース。
見るものをひとつ決めるだけで、やることが静かに定まります。

自信がない日は、視線が散りやすい。
だからこそ、一点に置く。
それだけで、次の一手が現れます。

③ 言葉を短くする

自信がない日に、長い言葉は要りません。
長い言葉は、迷いを増やすからです。

今はこう。
次はこれ。
この二つで十分です。

今を否定しない。
次を一つに絞る。
それだけで、身体は動ける場所に戻ってきます。


自信がない日は、勝とうとしなくていい。
整えようとしすぎなくていい。
まずは、戻る。

落ち着いていなくても勝つ日はある。
自信がなくても良いプレーは出る。
調子が悪くても、必要な一手を積み重ねられる日がある。

強さとは、
良い状態を維持することじゃなくて、
崩れても、戻れることです。

心がどうであっても、
プレーを続けられること。
それが、本当の意味での強さです。

最後にひとつだけ。
今日、あなたが戻るための合図をひとつ決めるなら、何にしますか。

もしあなたが、
自信がない日をひとりで向き合ってきたなら、
自信との向き合い方ごと変えていけます。

自信を作るより、戻れる自分になる。
その積み重ねが、競技人生を底上げします。

スポーツメンタルコーチ加藤優輝
Deportare Design代表
Deportare Design代表。6歳から22歳までプロサッカー選手を目指していたが、燃え尽き症候群により競技を嫌いになり、プロになれずに現役引退。 その後、人命に関わる仕事に魅力を感じ、消防士になる。 消防士として社会貢献していく中で、夢や目標に向かっている人をサポートしたいという思いが沸き起こり消防を退職。 退職後、自分自身が燃え尽き症候群になってしまった原因を解明すべく、脳と心の仕組み・スポーツ科学、EQなどについて学ぶ。 その後、サッカー元日本代表でもあるカレンロバートの専属サポート。現在は、プロ野球選手(NPB)やプロサッカー選手(Jリーグ)、プロゴルファー(JLPGA)、プロサーファー(WSL)、実業団選手(日本代表)を始めとする、トップアスリートから本気でプロを目指すアスリートを中心にサポートをしている。

私がスポーツメンタルコーチになった理由

私はプロサッカー選手になるはずだった。小学校のころから夢はサッカー選手。中学生になっても高校生になっても大学生になっても、夢は変わらずサッカー選手。そんな私は、身長170㎝でゴールキーパーをしていた…>>続きはこちらから

目次