気がつくといつも同じことで悩んでいるアスリートへ。思考の枠を広げることで得られる新たな気づき。

「試合に対して自信が持てない…」

「なかなか疲れが取れない…」

「もっと頑張りたいのにやる気が出ない…」

「このチームは自分にあってない…」

アスリートが競技を続けることで、様々な悩みが生まれます。

しかし、気がつくといつも同じ悩みについて考えてしまい、なかなか悩みを解決することができずにいる選手がいることも事実としてあります。

本当は悩みを解決したいのに、「そういえばまた同じことで悩んでいるな…」というように、悩んでいるだけで終わってしまう、そんな経験はありませんか?

このように、悩みを解決するのではなく、悩むことが目的になってしまうケースは多くあります。

実際に私のもとには、ずっと同じことで悩んでいて、一人で解決するのに限界を感じて相談に来てくれる選手が多くいます。

同じことばかりに悩みたいと思う選手はいないはずです。

しかし、同じことで悩み続けてしまう。

それは一体どうしてなのでしょうか?

これまでスポーツメンタルコーチとして、選手が抱く様々な悩みと向き合ってきました。

そして、その悩みを克服し、生き生きとした姿で、夢や目標を実現していく瞬間に立ち会うこともありました。

その中で感じたのは、同じことで悩み続ける選手にはある特徴があったということです。

実現したい夢や目標があるのに、同じことに悩み続ける競技人生。

それは、いったいどんな競技人生になっていくのでしょうか?

今回は、同じことばかりに悩んでいるアスリートが、その悩みを克服する何かきっかけになったらと思い、このコラムを書きます。

目次

気がつくといつも同じことで悩んでいる

真剣に競技と向き合っている選手ほど様々な悩みが生まれ、その都度それらの悩みと向き合わなければなりません。

しかし、気づけばいつも同じことで悩んでいて、自分でどうしたらいいのか分からないという選手がいることも事実としてあります。

これらのように、悩みを解決するのではなく、ただ悩んでいるだけという、悩むことが目的になってしまうケースは多くあります。

悩むことが目的になっている

実現したい夢や目標のために、悩みを解決していきたいのに、そもそも悩むことが目的になってしまうことがあります。

実は心理学や神経科学の視点から見ても、悩むことが目的になってしまう理由があるのです。

その理由として、反芻思考、デフォルトモードネットワークの活性化、非建設的思考のループ(認知バイアス)などが挙げられます。

その結果、悩むこと自体が習慣化してしまい、解決するのではなく悩み続けるという現実を生み出してしまうのです。

もし、悩みを解決することよりも、自ら悩み続けることを選んでいたとしたらいかがでしょうか?

【スポーツメンタルメモ】

  • 反芻思考:過去の出来事や将来の懸念について繰り返し考え続けること。この状態では、解決策を見つけることよりも、悩みそのものに焦点が当たり続てしまう。
  • デフォルトモードネットワーク(DMN):この脳のネットワークは、内省や過去の記憶に関与する。DMNが過剰に活性化すると、過去や未来について考え続ける傾向が強まる。
  • 非建設的思考のループ(認知バイアス):問題を「解決できない」と思い込むと、解決策を探す努力を放棄し、悩むこと自体が目的化する現象。

思考の枠を広げることで得られる新たな気づき

同じことについて悩み続けることで、一日はあっという間に過ぎていきます。

夢や目標を実現したいアスリートにとっては、一日一日がとても貴重なはずです。

しかし、毎日同じことで悩んでいたら、夢や目標に近づくどころか、その場に立ち尽くしているようなもの。

だからこそ、これまでとは違った視点でその悩みについて向き合うことが必要になるのです。

それは、自分自身の思考の枠を広げることとも言えます。

しかし、自分自身で思考の枠を広げることは簡単なことではありません。

なぜなら、それらの悩みは、自分自身が無意識に大切にしている価値観や信念が生み出しているからです。

オリンピックで金メダルを目指すある選手の話

これまで私がお会いしたことのあるアスリートの中で、いつも同じことで悩んでいる選手がいました。

その選手が抱いていた悩みが、「競技を続けるのが苦しくて逃げたい」という悩みでした。

さらに話を聴いていくと「オリンピックで金メダルを取ることは苦しくて険しい道を歩いていかないといけない」と思い込んでいる様子でした。

つまりその思い込みが、「競技を続けるのが苦しくて逃げたい」という悩みをつくり出していました。

しかし、その選手は抱える問題について解決しようとするどころか、悩み続けることを目的にしてしまい、無意識のうちに悩むことが習慣になっていたのです。

しかし、その選手とって、抱いていた悩みに対しての向き合う視点が変わったことで、これまでとは違う雰囲気で競技に取り組むようになっていきました。

新たな視点で考える必要性

本来、同じ問題について悩み続けるのではなく、その都度しっかり解決していくことが望ましいです。

しかし、アスリートとして生きていると、自分一人ではどうにもならない悩みに直面することもあります。

そのときに、いつも同じような視点でしか考えることができないと、どれだけ考えても解決できないという問題が生まれてしまうのです。

しかし、その悩みを解決したい気持ちが選手にはあるので、日々考え続けます。

その結果、気づけば悩むことが目的になってしまい、無意識のうちに悩むことが習慣化されてしまうのです。

だからこそ、その悩みに対して新しい視点で一緒に考えてくれる人が必要です。

その役割を、私はスポーツメンタルコーチとして担っています。

思考の枠を広げることで、悩みを克服する

どれだけ悩み続けても答えが出ない問題について、一人の力で解決していくのは簡単ではありません。

しかし、悩み続ける時間が過ぎていくのと同じく、競技人生も刻々と進んでいきます。

だからこそ、これまでとは違った視点で悩みと向き合う必要があるのです。

そのためにも、考えても解決できない悩みに対して、新たな視点での気づきを与えてくれて、思考の枠を広げてくれる存在が必要になってきます。

私が提供しているスポーツメンタルコーチングでは、選手自身が抱えている悩みに対して、どうして悩んでいるのかを明確にし、選手が新たな視点でその悩みと向き合い解決できるようなサポートをしています。

これまで、どれだけ悩み続けても答えが出なかった問題を解決することができ、その悩みを感じることなく競技に集中できるようになれたらいかかがでしょうか?

また、その悩みを解決することで、さらに実現したい夢や目標に近づくことができたらいかがでしょうか?

いつも同じことで悩んでしまっているという方は、是非一度、体験メンタルコーチングを受けてみてください。

スポーツメンタルコーチ加藤優輝
Deportare Design代表
Deportare Design代表。6歳から22歳までプロサッカー選手を目指していたが、燃え尽き症候群により競技を嫌いになり、結果プロになれずに現役引退。 その後、人命に関われる仕事に魅力を感じ、消防士になる。 消防士として社会貢献していく中で、夢や目標に向かっている人をサポートしたいという思いが沸き起こり消防を退職。 退職後、自分自身が燃え尽き症候群になってしまった原因を解明すべく、脳と心の仕組み・スポーツ科学、EQなどについて学ぶ。 その後、サッカー元日本代表でもあるカレンロバートの専属サポート。現在は、プロ野球選手(NPB)やプロサッカー選手(Jリーグ)、プロサーファー、プロゴルファー、実業団選手を始めとする、トップアスリートから本気でプロを目指すアスリートを中心にメンタルのサポートをしている。 すべての人が自分自身の可能性を信じて生きていける社会にすることが人生のテーマ。
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