試合が終わったあと、振り返りをする選手は多いと思います。
その振り返りの中で、よく聞く言葉があります。
「今日の反省点は何だっただろう」、「反省点を出してみよう」
競技の世界では当たり前のように使われている言葉です。
そして実際に、
試合の振り返りは「反省点を出す時間」として行われることも少なくありません。
もちろん、自分のプレーを振り返ること自体はとても大切なことです。
しかしここで少し考えてみたいのが、「反省点」という言葉の持つ意味です。
反省という言葉にはどうしても、
「ダメだったところ」、「失敗したところ」を見つけるニュアンスが含まれます。
そのため振り返りの時間が、
いつの間にか「自分のダメだった部分を探す時間」になってしまうこともあります。
例えば、
「今日は守備の判断が遅かった」、「打席で消極的だった」、「大事な場面で焦ってしまった」
こうした反省点を挙げて、振り返りが終わってしまうことがあります。
一見するとしっかり振り返りができているようにも見えます。
しかし、この振り返りには一つだけ足りないものがあります。
それは、次の行動です。
反省点は見つかったけれど、
では次に何をすればいいのか。
そこが曖昧なまま終わってしまう振り返りは、
意外と多いものです。
振り返りの出発点を「改善点」にする
そこで大切にしたいのが、振り返りの出発点です。
振り返りを
「反省点を探す時間」にするのではなく、
「改善点を見つける時間」にする。
この視点の違いは、とても大きな意味を持ちます。
反省点と改善点。
実はこの2つは、指している出来事自体は同じことも多いです。
例えば、
「打席で消極的だった」という出来事があったとします。
これは反省点としても、改善点としても表現できます。
しかし言葉が変わると、その出来事の意味も変わってきます。
反省点として見ると、
「自分は消極的だった」、「ダメだった」という印象が強くなります。
一方で改善点として見ると、
「ここを良くしていけばいい」、「次の成長につながるポイントだ」
という見方になります。
同じ出来事でも、
反省点は「反省する出来事」になり、
改善点は「成長の材料」になります。
この違いは、とても大きいと思います。
改善という言葉には成長が含まれている
改善という言葉には、とても前向きな意味があります。
改善とは、
より良くしていくことです。
そしてそれは、
成長そのものとも言えます。
競技をしていれば、すべてがうまくいく試合ばかりではありません。
ミスをすることもあります。
思うようにプレーできない日もあります。
しかしその出来事を、
「ダメだった出来事」として終わらせるのか、
それとも、
「改善できるポイントが見つかった出来事」として見るのか。
この違いは、選手の成長に大きく関わってきます。
改善点という言葉の上で振り返ると、試合の見え方も変わります。
ミスをしたプレーも、
うまくいかなかった試合も、
すべてが「次の自分を良くするためのヒント」になります。
振り返りとは、本来そういう時間のはずです。
だからこそ、
反省点を探す振り返りではなく、
改善点を見つける振り返りを大切にしていきたいのです。
改善点は行動につながる
もう1つ、改善点という言葉の良いところがあります。
それは、
行動につながりやすいことです。
反省点は、過去の出来事の説明で終わることがあります。
例えば、
「今日は守備のスタートが遅かった」
という反省点が出たとします。
しかしこの言葉だけでは、
次に何を変えればいいのかが少し曖昧です。
一方で改善点として考えると、
「スタートを早くするために何ができるだろう」
というような視点になります。
すると、
・打球が来る前の準備を意識する
・一歩目を早く出すことを練習する
・ポジショニングを見直す
といったように、自然と次の行動が見えてきます。
つまり改善点は、
未来の行動につながる言葉でもあります。
振り返りの目的が「次の成長」にあるのであれば、
行動につながる振り返りの方が、意味のあるものになります。
改善点を見つけたあとに大切なこと
そしてもう一つ大切なポイントがあります。
それは、改善点を見つけたあとに
「小さな一歩」を考えることです。
改善点が見つかっても、
「次はもっと良くする」、「次はしっかりやる」
という結論だけで終わってしまうことがあります。
しかしそれでは、実際の行動はなかなか変わりません。
だからこそ大切なのが、
「改善するためにできる小さな一歩は何か」
という問いです。
例えば、
「打席で消極的だった」
という改善点が見えたとします。
そのときに、
・打席に入る前に狙う球種を決める
・どんなプレーをするかをイメージする
・初球から振る準備をして打席に立つ
このように、具体的な行動まで落とし込んでいきます。
改善点と小さな一歩がつながると、
次の試合で実際に行動を変えることができます。
振り返りは次の自分をつくる時間
試合の振り返りは、ただの反省会ではありません。
それは、
次の自分をつくる時間です。
だからこそ振り返りの中で、
「反省点は何だったか」と問いかけるよりも、
「改善点は何だろう」と考えてみてください。
その視点で試合を見直してみると、
これまでとは違う気づきが見えてくることがあります。
そしてその改善点に対して、
「改善するためにできる小さな一歩は何か」
を考える。
その一歩は、小さくても構いません。
むしろ小さな一歩の方が、実際の行動につながりやすいこともあります。
振り返りは、過去を責めるための時間ではありません。
次の成長をつくる時間です。
だからこそ振り返りの出発点を、
反省点ではなく、改善点にしてみてください。
その視点の違いが、
日々の練習や試合の意味を少しずつ変えていくかもしれません。
そしてその積み重ねが、
選手としての成長を支えていくのだと思います。

